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2021-08-09 (Mon)
コンクールシーズンでもあり、6月から8月前半には多くの方にサロンのピアノを弾いていただくことができました。
また、秋にコンサートを控えた演奏家の方々にもご利用いただいています。うれしい限りです。

湿気の多い梅雨の時期、そして、この酷暑、サロンも一日中空調をかけているわけではないので、ピアノにも負荷がかかります。
ちょっと響きが気になるところが出てきたり、何より、2台演奏の合わせには2台がピッタリと響き合うように調律されていることが大切ですから、秋を待たずに、調律することにしました。

毎回お願いしているのは、「1級ピアノ調律技能士」のベテラン調律師さん。
調律だけでなく、3本の弦がハンマーに同時に当たるように調整するなど、丁寧に整調を施して、ピアノの響きを整えてくださいます。
そして、いつも、その日の重点項目について、「ピアノの仕組みとピアノの響き」のレクチャーをしてくださいます。

今回のお話は、ハンマーが弦をたたいたあと、落ちて止まる位置、「ハンマーストップ」を揃えることについて。

ハンマーストップ調整 ハンマーストップの調節 

弦から15mmの位置に揃えます。

ハンマーストップAt  ハンマーストップBt
左から3つめのハンマーがちょっと下がっています。同じ高さで止まるように調節します。
アクションを引き出したときと、弦の下にあるときとでは止まる位置が同じではない!のだそうです。調整、大変そう!

この位置がほんの少し近い、遠い、それだけで、ハンマーのフエルトが音の振動を吸収する度合いが変わるようで、打鍵したときの音の広がりやくぐもり具合が変わってきます。
ハンマーストップが揃っていることは、どの鍵盤を打鍵しても、響きの質が揃った、統一感のある響きになる、ということにつながります。
さらに、ハンマーストップを弦に近い位置で揃えると軽やかな音色やタッチ(モーツアルトを弾きたい感じに)、弦から離れた位置に揃えると響きが広がる(ロシアものなんかを弾きたい感じに)、といった、違いが生じるのだそうです。

弦をたたいたあと、落ちてくるハンマーを受け止めるのは「バックチェック」という部品です。

バックチェックAt バックチェックDt 
打鍵するとハンマーが上がって、すぐに落ちてくる。黄色いバックチェックが受け止める。

この、バックチェックがハンマーを受け止めるときの、「コツッ」という感触が、鍵盤の上の指に伝わってくるのです。
ハンマーストップが揃っていないと、この感触が返ってくるタイミングが、鍵盤によって異なる、ということになってしまいます。それが、タッチの不揃い感につながります。
ハンマーストップが揃っていることは、音質にもタッチにも大切、ということなんですね。

実際に、アクションを引き出して、やってみると、確かに、しっかりと、「コツッ」と指に感じられます。
打鍵して、鍵盤がいちばん底についた、つまり、鍵盤が下のパンチングクロスに当たった、その瞬間と、ハンマーが弦をたたく瞬間が、ほぼ同時なのだそうです。
その一瞬あとに、ハンマーが落ちてきて、バックチェックに受け止められます。
つまり、この手応えは、打鍵したほんの一瞬あとに返ってくる、ということになります。

ピアニストがばーん!と、力強い和音を打鍵したとき、ピアノから、その手応えを感じて、ああ、自分はピアノを鳴らしている、という充実感を得られるのは、この、バックチェックの受け止めの手応えを感じるからなのだそうです。…ううん、これは、何とも深い…。
ピアノは、音だけでなく、ちゃんと、そんな手応えを、ピアニストの指に返しているんですね。

打鍵したあとの脱力が大切、というのは、よくよく言われますが、脱力できていないと、こんな繊細な「ピアノからのお返事」を指で感じることなんて、到底できない、ってことですねぇ。
ピアノが弾き手にちゃんと返してくれているのに、そんなピアノの律儀な振る舞いに、何十年も無頓着だった自分が何とも残念。
いまさらだけど、これから、感じて弾けるようになるかしら。

C3Xはどの音もすっきりと晴れやかに響くようになりました。
C2CPも素直に音が伸びていきます。いつもは安定していたC2CPが今年はちょっと湿度の影響を受けていたようでしたが、きちんと調整していただきました。これで、2台での演奏もさらに気持ちよく合わせていただけます。

らぼポルカのそれぞれのピアノの響きと弾き心地を、どうぞ、味わっていただけたらと思います。
みなさまのご利用をお待ちいたしております。


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